極めるコラム
【羽生農場】定植後の管理ポイント
こんにちは、げんき農場です。
平年に比べ暑い今年ですが、ようやく過ごしやすい日が続くようになりました。
先月の関東は平年より平均気温が3.7℃も高く、多くの方がイチゴの花芽分化遅れで
定植も遅れてしまったことでしょう。
また、季節の変わり目は体調を崩しやすい時期でもありますので、
無理せず適切に休息を取っていきましょう!
さて今回は、定植後の管理についていくつかポイントをご紹介します。
■活着の重要性
イチゴの根は、光合成産物の貯蔵器官となります。根に蓄えた養分が転流し、
冬季の果房を支えます。そのため、定植後はいかにスムーズに活着させ、
厳冬期に入る前に根量を確保・充実させられるかが重要です。
冬場の根の減少は必ず起こってしまうので、
根量をしっかり増やして、冬を乗り越える準備をしましょう。
■活着の目安
①目安として、定植後10~14日後
②1枚あたりの葉が大きくなる
③いつ液※が増える(活着してしっかり水を吸えている証拠です!)
※植物の中を通って葉の先端や縁に現れる水滴状の液
■根への工夫
定植直前に、古い根は一部取り除くか、全体をほぐして圃場に植え付ける方が活着も早く、
定植後の生育が良くなるとされています。
とはいえ、全株でそれを行うと時間がとてもかかってしまうため、
根を出しやすくするために以下のような方法を取っています。
①定植前の培地は固くなっている場合が多いので、しっかりほぐす。
②培地表層は乾きやすいので、しっかり培地を濡らしてから定植を始める。
③株を斜めに定植して、ベンチや畝の中央に根を寄せる。
④ポット苗をしっかり押さえて、培地に密着させることで根と培地間の空気層をなくす。
⑤クラウン部に培地を寄せ、根を露出させない。
⑥発根に水が必要なので、株元にチューブを這わせて灌水する。
■ハウス内管理
イチゴの生育適温は20~25℃、花芽分化の適温は15℃です。
定植直後は、まだ気温の高い日もありますので、適切に遮光資材を活用しましょう。
遮光はかけっぱなしにせず、日の高い正午~午後3時ごろまでとし、
朝夕はしっかり光を当てるようにしましょう。
また灌水制御としては、根張りをより促すために、培地を乾燥させる時間を適度に設けます。
天気予報をこまめに参照し、朝の灌水量・回数を設定しましょう。
雨の日など、培地の湿り具合によっては、一日中灌水しない場合もあります。
過度な灌水は根腐れの原因となりますので、培地の状態の見極めが大切です。
■マルチについて
10月下旬にはマルチ張り(マルチング)をします。
主に栽培中の、雑草抑制や培地の保温・保湿、果実の汚れ防止等を目的として行います。
マルチは白黒マルチを使用しています。
これを使用した場合、葉の受光体制が良くなるほか、
4月以降の培地温の高温化を防ぐことができます。結果として、高品質・高収量に繋がります。
なお、早すぎるマルチ張りはNGです。
10月上旬~中旬の間、株を低温環境にさらさないと、
二番花以降の花芽分化を促すことができなくなってしまうためです。
今回ご紹介した白黒マルチも、渡辺パイプ(株)にて取り扱いがございます。
希望幅に加工することもできます!(マルチフィルムのラインナップはこちら)
ご注文の際は最寄りの販売店・農協等にお問い合わせお願いいたします!
1シーズンを通し、着実に収量を上げていくために、定植後の管理はとても重要です。
つまり、その年の収益を左右するとも言えます。
イチゴの根をしっかり育てて、高単価時期の収量を増やし、高収益を達成しましょう!