極めるコラム

【羽生農場】暖房・加温について

こんにちは、げんき農場です。

秋が深まり、朝夕は冷たい風を感じる時期になりました。

屋内で暖房を点け始める方も多いのではないでしょうか?

 

ただし、ハウスの加温コストは大きいため、燃料代節約の方法も一緒にご紹介いたします。

 

■イチゴの加温の重要性

 

イチゴの品種の多くは一季なり性品種であり、越冬は栽培において一つの壁とも言えます。

イチゴは温度が5℃以下になると休眠して、それ以上葉や花を出さなくなってしまいます。

したがって多くの場合、イチゴを厳寒期に取り続けるにはイチゴの加温が不可欠と言えます。

また、葉の展開や結実には積算温度という基準があります。

その基準を満たすためのコントロールも加温によって行うので、加温方式の選定も大切です。

 

■加温方式

 

イチゴの加温方式としては、主に以下のようなものがあります。

 

・ハウス全体の加温

暖房機(加温機)をハウス内部に設置し、温風を出すことによりハウス内温度を上昇させます。

ハウスで使用する際は、ポリダクトを張り巡らせ、効率的に加温するのが望ましいです。

げんき農場には重油を燃料としているものを採用していますが、

このほかにも灯油・ガス・木材・木質ペレットを燃料とするものや、

ヒートポンプを使用した電気式のもの、地下熱を利用したものもあります。

 

・培地加温

栽培ベンチや畝の培地中にヒーターを埋め、そこから培地のみを加温します。

ボイラで温めた水をポリパイプに通し、培地に配管する温湯配管の方式が一般的ですが、

電熱線を培地に配置する電気ヒーター式もあります。

 

■コストについて

 

以前のコラムでお伝えした通り、ハウスの加温コストは大きなウェイトを占めます。

前作の水道光熱費のうち約6割が重油代でした。

したがって、燃料代削減が収益改善に大きく寄与すると考えられます。

 

■燃料代節約

 

暖房機を使用する場合、加温効率を高めて燃料代を削減することが望ましいです。

パイプハウスの場合、農POや農ビの内張を設置することが多いですが、

げんき農場では多層フィルム(サニーコート)をサイドカーテンに採用することによって、

ハウス内からより熱が逃げにくいようにしています。

また、冬期は主に天窓や谷換気のみでハウス内温度調節をするため、

側面換気は目張り(嵌め殺し)をして、隙間風の侵入を防ぎます。

 

 

なお、暖房機のみでハウス全体の加温をする場合、

どうしても換気窓の隙間や扉などから熱が逃げてしまう、全体を温めるのに時間がかかる、

などといった理由で、加温効率が落ちてしまいます。

しかし、培地加温を併用した場合、局所的に培地を加温できるため、

適切に制御することでイチゴの加温したい部分(=クラウン)を効率的に加温することができます。

燃料代削減に大きな効果が期待できますので、

新規の栽培設備やハウスの検討をされている場合はぜひご活用ください。

 

~さいごに~

イチゴ栽培において、加温は越冬・積算温度基準の達成に欠かせません。

燃料コスト節約と、加温効率を高めるための工夫をし、

適切な暖房・加温で収益向上を目指しましょう!

 

 

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