極めるコラム
【羽生農場】気候の変化が激しい春の高温対策(イチゴ)
こんにちは、げんき農場羽生です。
春になり気温も上がり、ハウス内環境も大きく変わりました。
今年は例年より気温が高い傾向と言われ、イチゴの生長も栄養生長に傾きやすい状況です。
そこで今回は、げんき農場羽生が行うハウス内の高温対策や
病害虫管理、灌水管理について紹介していきます。
◆高温対策について
これからのイチゴ栽培の基本は、日平均をいかに下げていくかがポイントになります。
そこで、げんき農場が高温対策として取り組んでいる事例をご紹介します。
①遮光カーテンの活用
イチゴが1日に行う光合成の大部分は午前中に行われると言われており、
光合成効率も低下してくる午後は高温対策として遮光カーテンを使用しています。
この時期、晴れて気温の高い日は14:00頃から夕方まで遮光カーテンを閉めています。
②ホワイトハウスで高熱抑制と光合成促進
ハウスの骨材を白く塗装することで、骨材が熱を保ちにくくなり、
ハウス内の温度上昇を抑えることを行っています。
塗装ありとなしで比較してみると、ハウス内温度に約1℃の差がありました。
また、白色は光を反射しやすいため、光合成の促進効果も期待できます。
③2重内張りを外してサイド換気を使用
冬場のハウス内への冷気の侵入やハウス外への暖気の流亡を防ぐために行っていた
2重内張りカーテンを外し、サイド換気の使用を始めました。
暖候期である今の時期は、ハウス開口部からアザミウマ類が侵入しやすくなります。
飛翔距離は1〜2mとも言われており、飛び込みを防ぐため、
基本的にサイド換気で使用するのは上段のみとし、
ハウス内温度が25℃以上になる場合のみ下段も使用する設定にしています。
◆除草・防草シートの使用
病害虫が活発に動きだすこの時期までに、ハウス周りに生えた雑草の除去を行います。
また、ハウス周りに防草シートを敷設することで、
雑草の発生を長期的に防ぐことができます。
また、多くの害虫は雑草に潜み、そこからハウス内に侵入しています。
ハウス周り2mほどに防草シートを敷設して除草することで
害虫の侵入を減少させることも期待できます。
◆灌水管理について
羽生農場では複合環境制御盤「ウルトラエースシリーズ」に搭載された
日射比例制御を活用して灌水を行なっています。
日射量に応じて灌水回数が増減するため、
気候が変わりやすいこの時期には特におすすめの管理方法です。
また、蒸散量が増えてくるこの時期は、より水分を吸収しやすくなる他、
灌水回数の増加で、与える肥料の総量が増加し、
窒素過剰症などを引き起こすことがあります。
そのため、これまでEC 0.9m/S程度で管理していた給液の濃度を
0.7m/S程度まで段階的に下げていきます。
まとめ
この時期は気候が大きく変わり、
栽培管理面でも多くのことに注意を払わなければなりません。
樹勢のコントロールや収穫物の品質維持などをするためにも、
温度管理や灌水・肥培管理は重要になります。
イチゴ栽培もいよいよ終盤戦に入っていきます。
気候と生育ステージ合わせた管理をしっかりと行なっていきましょう。
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