極めるコラム
【八街農場】低温期から生育旺盛期の管理(ミニトマト)
3月に入り、関東地方では早くも20℃を超える日もでてきました。
トマトの生理も、大きく変化する時期です。
急速に生育することで起こる着果負担や
高温期に発生しやすい萎れなどを気にしなくてはなりません。
今回はこの時期に行うべき管理について紹介していきたいと思います。
樹勢は強めにする
①肥培管理
冬場は低温でトマトの生育も遅いので、
低めの濃度EC1.4m/Sで管理をしていました。
3月に入ってからは、0.1ずつ上昇させていき、
3/20現在、EC1.8m/Sで管理を行っています。
温度上昇に伴い生育が急激に進み、肥料の要求量が増加するタイミングで
肥料濃度を上昇させる事が樹勢の維持、成り疲れの防止、
4月以降の高温期に萎れを発生させない事に繋がります。
②徒長に注意
温度上昇により、生長点付近の生育も早くなります。
ハウス内の温度を下げることで、生長そのものを抑えることはできますが、
生育の遅れを招き、収量を減少させてしまいます。
そこで有効なのが、夜温を下げる事です。
げんき農場では、日中の最高気温が25℃を超え始めた3月中旬からは、
夜間の最低温度を10℃で管理しています。
日中は光合成適温でしっかり光合成させ、夜は温度を下げることで、
節間が伸びる事を抑えるようにしています
③灌水不足に注意
生育が旺盛になると、水分吸収が活発になるため、
冬の灌水量のままだと、水分不足になります。
水分不足で萎れが生じると
花芽が弱くなり、収量減少の原因になります。
また、晴天時には再び萎れが生じやすくなるため
遮光を行う必要に迫られ、
日照不足を助長し、悪循環に陥りやすくなります。
げんき農場では日長に合わせ、日射積算の開始時刻を早め、終了時刻を遅くしました。
開始時刻は、7時半から6時半に、
終了時刻は、14時から15時半に変更しました。
合わせて1回あたりの灌水量を
95ml/株 から110ml/株 に変更しています。
今後も温度上昇に合わせて、少しずつ
増やしていきます。
まとめ
春の増収のためには、生育が旺盛になっていくこの時期に
作物の能力を
最大限に発揮できる環境作りが不可欠です。
失敗と成功の差が大きくなる時期でもありますので、
エラーをしない管理というのが、重要な要素になってきます。
来月は初夏に向けての管理、カルシウム剤の有効な利用方法について、書かせて頂きます。