極めるコラム
【八街農場】春本番前に確認しておきたい管理(ミニトマト)
こんにちは、げんき農場八街です。
寒い日も少なくなり、次第に春を感じる日が増えてきました。
そこで今回のテーマは、トマト栽培におけるこの時期の管理の注意点になります。
げんき農場八街のように、昨年夏から長期で作っている方々は、
寒い時期から暖かくなる時期の管理次第で、今後の草勢や収量に大きく影響します。
気象庁の見通しでは、今年の3~5月の気温は平年と同じか高い見込みとのことです。
今回の営農通信を参考に、暖かくなる前に管理の計画を見直してみてください。
◆管理①灌水量
冬から春に季節が移るこの時期は、しおれや葉先枯れなどの障害が発生しやすいです。
原因は、春の日射量が冬に比べて多く、蒸散量が増加するにも関わらず、灌水量が不足するためです。
気象庁の2023年の日射量データによると、
1月と4月を比較すると5つの測定地域でいずれも2倍前後の日射量であることが分かります。
(画像は、茨城県つくばの2023年のデータ)
つまり、日射量の増加に伴い、灌水量を増やす必要があります。
灌水量の目安となるのが排液量です。排液が給液量の20~30%ほどになるように設定しましょう。
時間帯によっても排液量は変わるので、測定をしながら最適な灌水量を検討しましょう。
3月中旬頃の八街農場では、適当なベンチで給排液量を1時間ごとで確認し、
排液率が低い時間帯の給液回数を増やし、排液率が高い時間帯の給液回数を減らすように設定を変更しました。
こうすることで、日射量が増える時期になってからのしおれや葉先枯れを予防することになり、
ひいては、良好な生育を促し、春以降の増収につなげることができます。
◆管理②温度管理
これからの季節、寒の戻りに警戒する必要がありますが、
夜温10℃下回る日が減るため 冬に多用していた夜間の保温カーテンを毎日使う必要がなくなります。
そのため、制御設定の見直しをすると同時に、安定して暖かくなってきたら、
サイドカーテンを開けてサイド換気を使用しましょう。
3月の理想的な温度管理は、午前の最高気温23℃程度、午後も同様に23℃程度だと言われています。
もし草勢が低下しているのであれば、20~22℃程度に低めの設定にしてください。
3月にもなると、晴天日には果実の温度は必要以上に高温になるため、クイックドロップの必要がなくなります。
3月中旬現在の八街農場のUTACEの換気の設定は、下記の通りです。
厳寒期に弱まってしまった樹勢の回復と、根部の強化、栄養生長に傾かせたいため、
午後の温度を低めの設定にしています。
気温が高くなると、樹は地上部の生育を優先させるため、相対的に根の充実不足につながります。
そのため、発根を促す管理が必要となります。
この時期に発根を促しておくことで、春先以降の尻ぐされ果の発生としおれの予防につながります。
また、午前中に果実が結露する場合、
温度上昇の設定を1時間に2℃以内ずつ上がるように設定することで、結露の発生を抑えることができます。
果実の結露は、灰色カビ病や葉カビ病につながるので、注意してください。
八街農場の設定は下記の通りです。
◆管理③その他注意点
基本的に、日射が強ければ葉は多く、日射が弱ければ葉は少なくなるように管理します。
3月以降から強日射が増えてきます。
そのため、側枝を伸ばし、葉枚数を確保することが有効な手段になります。
八街農場では、葉面積確保のために葉かきは最低限で行っています。
ただし、病害虫が発生してしまった際は多めに葉をかいて防除を徹底するようにしています。
最後に
冬を乗り越えた後の、春の管理は非常に気を遣うものです。
シーズン終盤まで安定して栽培していくためにも、特に3,4月の温度に細心の注意を払って管理しましょう。
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