極めるコラム
【八街農場】長い営農のためのハウス改修
こんにちは、げんき農場八街です。
げんき農場八街はハウス建設から20年近く経ちました。
これまでも補修工事は行ってきましたが、それでもハウスの老朽化が目立っています。
今回は、ミニトマトの栽培管理にとって重要な箇所を改修したので、ご紹介いたします。
ハウスの老朽化に悩んでいる方や初期費用を抑えるために中古ハウスを検討している方など、
ぜひ参考いただければと思います。
◆ハウス改修内容
①カーテン
【改修前の状況】
カーテンは大きく分けて4つの部材にわかれ、フィルム、棚線、駆動ワイヤー、原動機があります。
経年劣化や紫外線劣化により、
カーテンフィルムや棚線(フィルムを支えるエクセル線のこと)の傷みがかなり進んでいました。
カーテンを動かすことはできますが、自動制御で動かす際に気を配る必要があり、
保温や遮光を適切なタイミングで行うことが難しい状況でした。
【改修工事内容】
カーテンフィルムと棚線を新調したことでスムーズに動くようになりました。
自動制御で効率よく稼働させることで、遮光性や保温性の向上効果が期待できます。
ただし、カーテンは少しの不具合が大きな破損につながる可能性があります。
ご使用の際は、定期点検を欠かさないことを推奨します。
【点検項目例】
・動作中に、カーテンが揃って動いているか
・動作中に、異音がしないか
・カーテンが閉まり切った状態で、隙間ができていないか
・棚線や駆動ワイヤーが緩んでいないか
・原動機のリミットが正常に働き、開閉する際に必要以上にワイヤーが動いていないか
原動機の点検例:
げんき農場八街のABSカーテンだと、
駆動ワイヤーにあるカバー(赤丸)と滑車(青丸)の距離が一つの判断になっています。
距離が近すぎるとワイヤーが必要以上に出てしまっており、リミットに異常がある可能性があります。
②防虫ネット、サイド換気
【改修前の状況】
防虫ネットやフィルムは消耗品です。
数年使っていると、ところどころ穴が開いてしまい、病害虫侵入の原因になっていました。
また、ハウスの気密性が低下することで、低温障害発生のリスクや暖房機の燃費悪化をもたらします。
【改修工事内容】
防虫ネット(天窓、サイド換気)とサイド巻上げフィルムを張り替えました。
これにより、虫の侵入数が減少し、農薬散布や粘着シートによる防除効果が高まりました。
また、ハウスの気密性が向上し、暖房効率の向上も期待できます。
ただし、出入り口付近から侵入するリスクは常にあります。
もし防虫ネットやビニールといった資材が余っていたら出入り口を2重にすることを推奨します。
③防除環境の改善
【改修前の状況】
7800㎡ある農場にもかかわらず動線が悪く、
農薬タンクから散布機に接続する取り出し口が一か所のみでした。
さらに、農薬調整用のタンクも容量が少なかったため効率が悪く、
広いハウス全体に散布するためには、何度も農薬を作り直さなければなりませんでした。
【改修工事内容】
農薬タンクからの取り出し口をハウスの形状にあわせ、複数設置しました。
スポット的に散布したい時にも散布箇所の近くに取り出し口があるので便利です。
また、農薬タンクも2000Lに増設し、2つのタンクから1つのホースに流れるようにしました。
さらに、自走式の散布機を1台追加し、散布機2台を同時に使用するようにしました。
その結果、農薬散布の全体的な作業時間短縮につながっています。
具体的には、ハウス全体の散布1回について、
農薬作成回数が最低5回かかっていたところ2回で済むようになり、
散布にかかっていた時間は1日かかっていたところ半日で済むようになりました。
加えて、時間短縮によって日中に散布が終わり、夜間まで農薬が乾く時間を作ることができました。
これによって、夜間の湿度が高まるリスクが軽減でき、病気の発生を抑えることにつながっています。
最後に
長い年月が経つとビニールハウスは必ず老朽化してきます。
皆さんの中にも、少し前の八街農場のような状況の方がいらっしゃるのではないでしょうか?
一度建てたハウスのメンテナンスをしていくと長く使えますし、
改修工事により環境改善することでよりよい営農を続けることができます。
渡辺パイプではハウスの改修のご提案や工事を承っております。
お気軽にご相談くださいませ。
ハウスなどのお問い合わせはこちら↓
https://www.sedia-green.co.jp/green/customer/contact.html
【げんき農場見学 受付中!】
げんき農場ではハウス見学を受け付けております。
ハウスや設備を実際に見たい方や、研修会などでご利用したい方など、お気軽にご相談ください。
見学のお申し込みはこちら↓