農業を学ぶ旅

9月14日 福岡県小郡市 白水農園を見学

農業を学ぶ旅 終了レポート

  2018年9月14日(金)に開催しましたモデル農場見学会の様子をお伝えいたします。

農場概要

  • 白水農園 (農場No.2018-03)
  • 代表:白水 隆資氏
  • 場所:茨城県鉾田市
  • 圃場面積:合計11.65ha (内、ハウス1.65ha)
  • 稲作専業農家からハウス野菜農家へ転身することで、農業所得を7倍にした白水農園様。台風が多い九州で安定して作物を作るためにハウスの設計にもとことんこだわり、強いハウスと共に強い経営を実現されています。また、儲かる農業を実現するために日々の研究と実証試験に精力的に取り組み、利益を伸ばし続けています。
  • 作業人員:8名(内、海外研修生5名)

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見学会の様子

ハウス野菜へ転換したきっかけとこれまでの経緯について

約7年前まで稲作を中心に、麦、大豆を生産される中で、直接支払交付金や二毛作助成金などの補助金に頼らなければ利益を出すことが出来ない現状に、このままではいけないとして心機一転。小さな面積で効率的に生産できるハウス栽培を開始しました。稲作や路地栽培を続けながら、2011年に約5aのハウス栽培から水菜生産をスタート。2014年に第2期、そして2017年に第3期工事が完了し、合計1.65haのハウスで水菜、ホウレンソウ、ネギの栽培に取り組まれています。この7年間で11haの稲作栽培時と比較すると農業所得を約7倍にするという効率的な営農に成功しています。

 

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中長期を見据えた計画的な農場づくり

稲作専業では、面積を拡大しても人や機材が増えるばかりで利益があがらないと考え、小さな面積で効率よく生産できるハウス栽培への転換を決意。第1期ハウスで水菜の周年生産に成功。次いで第2期、第3期と順調にハウスを拡大し、3年後には第4期工事を計画しています。それらのハウスは「産地パワーアップ事業」をうまく活用し、収支をしっかりと計算しながら、着々と規模を広げています。面積を増やす事で、商品の安定供給ができ、販路も増え、安定した雇用が出来るようになり、いろんな面で楽になる事も多かったそうです。規模を拡大することが出来ると安定し、一つがうまくいかなくてもリスクヘッジが可能になる事から、規模拡大は必須と感じています。

 

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大雨・台風・酷暑との闘い強いハウスで安心の栽培

今後の異常気象や、益々増えると予想される大型台風に備える為に強いハウスは経営リスクを減らすためにも必須です。第3期のハウスでは今までのハウスより耐風性1.25倍、大雪性1.6倍の強度設計を持つタフパイプを採用しました。また、この地域は非常に水につかりやすい地域。排水設備にも力を入れ、圃場全体をプールのように囲い、外からの水の侵入を遮断。中から強制的にポンプで排出する事で大雨による被害を防いでいます。

 

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夏場の酷暑時の栽培における工夫と栽培技術

九州の平野部に位置する久留米市では夏場の最高気温が36°近くなる事もあり、最高気温の全国トップ10に入る暑さとなります。その過酷な夏にしっかりと栽培をするための工夫として、ハウス間の通路を従来の1.5倍にし、1.5mの通路を確保することにより、隣り合ったハウス同士で熱が伝わらないようにする方法と、天井に天井扇を設置し、強制的に熱気を排出する方法を採用しています。また、夏場は防虫ネットをめくりあげて、害虫の侵入を許してでも暑さへの対策を行っています。その代わりに害虫の侵入対策として、光の照り返しが強いグランドシートを通路に設置。地面から強い光を浴びるとうまく飛べない害虫の特徴を利用し、害虫の侵入を防いでいます。

 

換気扇

 

将来を見据えた土づくりへのこだわり

「いい土が一番の財産だ」と白水氏は言葉を強くする。ハウスで1年間に7~8回転栽培し、連作障害を作り続けないために土壌消毒が欠かせないものとなっています。この地域では「ガス打ち」と呼ばれ、農薬による土壌消毒を実施していますが、白水氏は土壌消毒をやらずに栽培を実践しています。有機肥料とバーク堆肥、麦わら、稲わらを適宜入れ続けています。もちろん土壌消毒を行わない事により雑草が生い茂るが、播種前に除草剤をしっかりと散布し、その後出てきた雑草については丁寧に抜いて数を減らしています。今後もいい作物を作り続ける事が出来るいい土壌を後世に伝えていきたいと考えています。

 

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人が自ら動きたくなる職場へ

意欲、モチベーションを高める為に一つの試みを実施しています。それは、ハウスを貸し与える事。自分で考えて、行動するためには自分のハウスをしっかりと管理し、自ら考え、動く事が非常に重要です。その考え方を伝える為、白水農園では社員にハウスを貸し与え、そこで栽培された作物はその社員のボーナスとして与えています。作る作物、作型はその人が全て考えます。それにより、どのような作物を作れば儲かるのか、どのような作型だと作りやすく、利益が出るのかと栽培するだけでなく、どうやったら利益につながるかをしっかりと考え行動するようになります。結果すべてのハウスの栽培管理の質が向上し、ハウスを貸す前と比べ、貸した分を差し引いても収穫量が上がりました。

 

 

講演会『稲作農家からの転身、儲かる農業への挑戦と展望』

白水農園の今後の事業展開について

食料自給率や高齢化、農地の減少等、農業を取り巻く環境は厳しいものとなっていく中で、施設園芸を増やしていく事が非常に重要だと感じています。私自身もしハウス栽培に切り替えなければ、露地栽培の面積をより増やし、労力と利益が上がらない現状があったと感じています。交付金も年々減少していく中で、ハウス栽培に踏み切ってよかったと思っています。最初の3年間はとても大変で、作物をたくさん作り出荷すれば儲かると思っていましたが、品質の良いものを作らないと売れないとわかり、よい作物を作る事に集中し、結果がついてきました。やればやるだけ結果がついてきます。売上・利益も努力した分だけ自分に返ってくる農業はとても楽しいと感じています。今後農業全般に若い農業者が育ち、地域が活性していくよう、儲かる農業への挑戦と若い世代の育成に取り組んでいきたいと感じています。

 

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参加者の皆様からのご感想

30代男性

岐阜からの訪問でしたが、遠くからでも来てよかった。経営のモデルから、規模拡大までの推移について、詳しい数字と共に解説頂けた事で、イメージがわきやすかったです。社員育成の手法のハウスを貸し与える試みがとても面白かったです。仕事を任せる事の重要性については日々感じていましたので、ぜひ実践させてもらいたいと思います。

30代男性

土をしっかりと育て、作物の状態をしっかりと観察する。農業の基本的な考え方を再確認できたと感じました。特に、作物の状態を知るために一度根の状態を見て、原因となった事象を考察するということが大変参考になりました。

当日のスケジュール

白水農園スケジュール

 

見学会の様子

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アグリ@カルチャークラブ

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