極めるコラム

【八街農場】今すぐできる!作業品質を高める工夫(ミニトマト)

こんにちは、げんき農場八街です。

日中の気温が高くなってきて、いよいよ春本番。

トマトの促成栽培では、これから最後の追い込みをかける方が多いのではないでしょうか 。

しかし理想通りの環境制御ができても、管理作業に時間がかかり、

充分な時間の確保が難しくなることから、

作業遅れが発生し、トマトの良好な生育を保つことができなくなります。

そこで、今回は八街農場で取り組んでいる手入れ作業の管理方法を紹介いたします。

 

 

管理作業内容

◆八街農場の作業背景

八街農場のパート総人数は20名で、1日10人前後が作業に当たります。

10年以上勤務されている方も多いため、各々のやり方になってしまうこともあります。

そのため、農場としてやりたい管理を理解してもらうことや、個々の作業の質を高めることが難しいです。

 

 

◆誘引作業の工夫

八街農場は、ダッチライト型の高軒高ハウスで、ハイワイヤー誘引栽培を行っています。

誘引作業は主に下記の3つにわけることができます。

①伸びた茎を誘引紐に巻きつける

②伸びた茎を下げる(ツル降ろし)

③下げた茎が通路に垂れ下がらないようにする

 

八街農場では作業品質を高める工夫として以下のように取り組んでいます。

ⅰ.ツル降ろし目安の設置

生長点を下げる高さを統一するため、作業台車に3つの印を設けてツル降ろしの作業指示をしています。

指示する高さは、トマトの生育状況や作業の進行状況によって変更しています。

 

 

ⅱ. 茎が垂れ下がらないように、茎を支える補助資材の導入

導入する前は、手作業で茎を紐で束ねる茎上げ作業に非常に時間がかかっていました。

導入することで、年間で約800時間の作業時間の短縮につながりました。

茎上げ補助資材に、タキゲン製造株式会社 の「茎ラック CP-642-3」 を使用

https://www.takigen.co.jp/agriba/products/details/CP-642/CP-642-3

 

ⅲ. ツル降ろし前の事前誘引

前回のツル降ろしから1~2週間後を目安に、伸びた茎だけを誘引紐に巻き付けるだけの作業を行っています。

茎が伸びすぎて折れてしまうことを予防できます。

また、事前に巻き付けてあるので、次のツル降ろし作業の効率が上がります。

この一連の流れにより、トマトの生育が旺盛になってきても、茎折れを起こさず誘引を行うことができます。

また、ツル降ろし後の高さを統一することにより、

作業性の向上だけでなく均一的な受光態勢を作ることができるため良好な生育に繋がります。

 

 

◆葉かき作業の工夫

1株当り15枚程度の葉を残すことを目安として、生育具合を見ながら摘葉する枚数を調整しています。

しかし、作業員を雇い大規模で栽培をしていると作業指示の都合や作業性から、

複雑な指示を出し実行することが困難になります。

誘引作業と同様に作業に使う台車とカゴに高さで目安を設けて作業指示をしています。

統一の高さ目安があることにより、全員が分かりやすく同じ仕事の質を出せることに繋がります。

ハウスによる生育ムラや品種によって草勢が違うので、

次のように栽培状況に合わせて管理指示を出しています。

葉の数が多く生育旺盛で生殖生長に傾けたいときには高い目安、

逆に葉の数をある程度残し、栄養生長に傾けたいときには低い目安で指示を出しています。

 

終わりに

今回、ご紹介した内容以外にも、栽培管理をするうえで細かな指示は多々あります。

八街農場では、適切な作業指示をするために、

当日の作業の流れについては、朝礼で共有し担当を割り振ります。

社員とパートの信頼関係を築くためにも、

作業内容や作業方法の変更理由など細かな指示についてはこの時、丁寧に説明するようにしています。

自分が行う作業の意味を知っているのと知らないのとでは作業のモチベーションに大きく影響しますし、

共有がないと信頼関係の低下を招きます。

作業遅れをなくし、良好な生育状況を作っていくためにも

的確で分かりやすい指示を行っていくことが重要だと考えます。

 

 

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