極めるコラム
【羽生農場】季節の変わり目、4月の栽培管理(イチゴ)
こんにちは。げんき農場羽生です。
4月に入って例年に比べ外気温が高い日が続いています。
また3~4月になると充分な日射量があるため、草勢は一気に旺盛になります。
ハウス内温度の高温が続けば花芽分化が終了してしまいます。
5月以降も収穫予定であれば、日平均温度を上げ過ぎない様に管理する必要があります。
そんな中で、げんき農場で取り組んでいる高温対策をご紹介します。
■高温対策
①換気装置のフル活用
天窓や谷換気、サイド換気装置をフルに活用します。
日の出以降は2℃程度段階的に温度が上がるように、換気の温度設定を調整して換気を行います。
午前中は急激に温度上昇が起こるため、換気の制御設定は午前中を重視した設定をすることをおすすめします。
お使いの制御盤にもよりますが、げんき農場で使用しているUTACE-Tliteでは8段の変温制御ができます。
そのため、急激な温度上昇が起こりやすい朝7時~10時の間は30分毎に分割し細やかな換気制御を実施しています。
また、2~3月まではアザミウマの侵入を防ぐため、サイド換気を使用せず、
できるだけ天窓や谷換気を活用していましたが、4月以降は高温をさけるために全ての換気を活用します。
②遮光カーテン活用
イチゴの光合成適温は20~25℃と言われています。
また光合成が一番盛んに行われている時間帯は、「午前中」です。
一日に行われる光合成の約6割は午前中に行われているという文献もあります。
げんき農場では、午前中にしっかりと光合成をさせる管理を行い、
午後は遮光をしてできるだけ日平均温度を下げる管理を行うことを実践しています。
げんき農場では、4月の日平均温度は17℃を目標に管理しています。
下記のグラフの日では自動換気、遮光カーテンを活用し、日平均温度は16℃でした。
図: 2022年4月8日のモニタリンググラフ
③その他
げんき農場では実践してはいませんが、高温対策としてハウスビニールに遮光剤を塗布することも良いといわれています。
主に赤外線をカットする遮光剤であれば日焼け果や果実の傷みの予防となります。
以上、春の高温対策について紹介でした。
季節外れの高い気温が続いており急激な生長、収量の増加、果実の軟化が発生しているかと思います。
高い気温が予想される日には、いつもよりカーテンを早く閉めるなどその日に合わせた管理が必要になってきます。
日々の天気やハウス内のモニタリングデータに注視して残りのシーズンの栽培管理をしていきましょう。
次回は、げんき農場で行っている日射比例制御についてご紹介します。
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