極めるコラム
【羽生農場】 太陽熱消毒でエコな病害予防(イチゴ)
こんにちは。げんき農場羽生です。
6月末には38℃を超える猛暑や、7月に入っても少ない降雨と梅雨らしくない気候となっています。
げんき農場羽生では7月に入り、育苗作業と太陽熱消毒の準備を進めています。
丹精込めて育てた苗が、定植したら培地や残渣に残存していた病原菌で全滅…。
そんなことが無いように、栽培環境の消毒は作物がない間にしっかり行いたいです。
そこで今回の営農通信では高設イチゴ栽培の太陽熱消毒について説明したいと思います。
■太陽熱消毒
・太陽熱消毒に必要な資材
透明マルチ0.02×95㎝×200m(巾はベンチ全体を覆えるサイズ)
マルチを固定するための紐やテープ(誘引ヒモやマイカ線など)
・太陽熱消毒をする準備
①栽培していた株を撤去する、白黒マルチを剥がす、
玉受け資材等マルチ展張の邪魔になるものは外す
②透明マルチをベンチに展張する
③透明マルチがめくれないよう紐やテープで固定する
④ベンチ内に水を溜める(排水の止水が可能なベンチに限る)
⑤太陽熱消毒を実施(7月下旬~8月上旬)
・太陽熱消毒のポイント
太陽熱消毒を行う際は何℃まで培地温を上げて消毒を行うかが非常に重要です。
イチゴの主な病気としては、炭疽病と萎黄病が挙げられます。
病気によって殺菌できる温度が違ってきますので病気別に確認しましょう。
※各都道府県の農業試験場より抜粋
消毒の温度は諸説ありますが、40~50℃で8日以上の消毒期間を設けることで、
イチゴの病気は殺菌することができます。
湛水(ベンチに水を溜めること)はベンチの排水を止水しないとできないので可能な方は行ってください。
湛水をすることで温度が維持され、また培地が還元状態になることで
病原菌が酸欠になり消毒効果が上がるとされています。
・太陽熱消毒の注意点
①太陽熱消毒中はハウス内が高温になるので、熱中症に注意する。
②ハウス内温度が60℃を超えると、塩ビ管の変形や接着部の破損につながる
のでハウス内温度は55℃までとする。
③高温による機械故障の可能性があるため、機器や配管の点検を行い、
定植の準備に取り掛かる。
以上、高設イチゴ栽培での太陽熱消毒の方法について紹介いたしました。
太陽熱消毒は、農薬を使わず透明なマルチさえあれば行える、
環境にも費用的にも易しいとてもエコな消毒方法です。
上記の注意事項を守って太陽熱消毒を有効活用することで、
次作の病害対策を行って安定した栽培を行いましょう。
マルチのご注文は渡辺パイプに是非ご相談ください。
▼渡辺パイプ(株) マルチフィルム紹介ページ
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▼げんき農場 使用品
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