農業を学ぶ旅

2019年度 農業先進国4泊6日オランタ゛農業研修ツアー

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農業を学ぶ旅 終了レポート

 

2019年 第16回 渡辺パイプと行くひと味違う農業研修

「作り方、売り方、考え方を学ぶ。農業先進国へ。」

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今年で16回目となる渡辺パイプと行くひと味違う農場研修、今年のテーマは「作り方、売り方、考え方を学ぶ。農業先進国へ。」として、6/30~7/5の4泊6日の日程で、大規模農場や研修機関を見学してきました。その中でも特に印象的だった視察先をいくつかご紹介させて頂きます!

 

バラ農場 (Fransen Rose)

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選果場の様子

ここは、4.3haの温室でバラのロックウール栽培をしている農場です。この農場では、ICタグを用い、いつ、誰が、どこでどのような作業をしたのか、徹底した生産管理を行っています。ハウス内は、柱高も高く、細霧冷房装置もある為、作物にとっても人間にとっても良好な環境を保つことが出来ています。夏でも暑くなく、また品質向上の為に、炭酸ガス発生機や補光ランプ、ヒートポンプや温湯管による加温を行っています。暖房用の温湯管は作業台車のレールとしても兼用されており、コストを下げる設計となっています。

 

鉢植え花卉農場 (Vilosa)

ハウス内の様子

農場内にある自家発電設備

この農場では、高品質のカランコエとケロシアを3.15haの面積でベンチ(移動式)栽培しています。苗は、週2回、人件費の安いアフリカのウガンダから、輸送コストを抑えるために根がない状態のものを輸入し育苗を行っており、ハウス内の湿度を高く設定していることで発根しやすい環境を作っています。栽培初期は1つのコンテナに800株配置し、成長に合わせて1つのコンテナから株間のスペース確保の為2つのコンテナに配置変えを行います。コンテナは底面給水によって灌水され、排液を循環して再利用されています。

 

コチョウラン栽培農場(Opti-flor)

すべての鉢をICタグで管理

唯一人の関わる作業

こちらはコチョウラン栽培専門の生産法人で、面積は、2つの温室合わせて16.5haあります。栽培品種は約150品種あり、品種毎に栽培期間は異なりますが、平均すると約1年半(36週~2年半)です。またコチョウランは様々な栽培パターンがあるため、専用のシステムが必要となり、カーテン設備や栽培システムなどがすべてコチョウラン専用となっています。

従業員は、約70名(パート含む)ですが、1圃場に3人の責任者(販売・生産・雇用)を配置して管理しています。またこの会社は、2015年に社員にやさしい会社(労働環境、社内美化など)として表彰されました。ほとんどの作業が機械化されていますが、鉢に支柱を挿し出荷準備をする作業だけは唯一人の手で確認し、行っています。

 

トマト総合教育農場(Tomato World)

専属のガイドによる説明

トマトの試食コーナー

この農場は、1,500㎡の栽培温室と研修スペースを兼ね備えたトマト農場です。こちらでは、形や色、サイズも様々なトマトを約80種類栽培しています。またトマトの魅力を多くの人に伝えるために、ここで栽培されているトマトは全て試食コーナーで試食することができ、見学者は品種毎の味の違いをその場で食べ比べることができます。

この施設ではトマトの生産技術だけでなく、施設園芸を通して、食糧問題や持続可能な農業の可能性について学ぶことができるパネル展示もあります。またオランダの施設園芸農家の特徴的な設備で、ほとんどの農場で導入されている自家発電設備(コージェネレーションシステム)や新しい技術の地熱利用システムについても紹介されています。

 

熱帯植物農場(Fachjan)

高さ14mの熱帯植物

こちらは軒高16.5mの世界一の高さを誇る熱帯植物栽培温室で、毎週5台のコンテナで世界各地へ観賞用熱帯植物を輸出しています。納品先はショッピングモールや動物園、空港、プールと多岐にわたり、ヨーロッパ全土や中国に出荷しています。輸送の際の温度管理も徹底しており、植物が休眠状態となる14℃に保って輸送しています。また輸送中の害虫対策として出荷前の約1ヶ月、農薬を散布していて、95%以上を死滅させています。化学農薬が効かない害虫の為に、1年前から生物農薬(天敵防除)も取り入れています。

また、軒高が16.5mもあるので、被覆材は安全面を考慮し、ガラスではなくポリカーボネートを使用しています。

 

ピーマン農場(Gebr.E&W Valstar)

収穫作業の様子

温室内を自動で走るカート

こちらは、3.5haの温室でパプリカを栽培している生産法人です。労務管理や農場内の輸送システムが自動化されていて、以前日本の農水省と政府が訪問したこともある農場です。また、同じくパプリカ栽培している日本の次世代施設園芸拠点の宮城拠点をアドバイスしたこともあります。

栽培方法はロックウール栽培で、圃場全体で約80,000株を栽培し収穫量は10a当たり38tです。1基のコージェネレーションシステムがあり1時間で2メガワットの電力を発電できます。

収穫作業は人の手で行っていますが、選果場までの搬送は収穫カートが自走して行き、自動でベルトコンベアーに載せられ、選別された後、段ボールに梱包されます。

収穫は人の手で行われていますが、それ以外のほとんどの作業が機械化されており、省力化によって人件費の削減が図られています。

 

 

オランダ農場見学会参加レポート

今回のオランダ農業研修を通して、参加者の皆様は、農業先進国オランダの最先端の設備や技術に対して、改めて驚かれていました。

オランダの施設園芸は、農業コンサルティング会社や民間の農業試験場が技術支援を行うことで、技術が発展してきました。そして平坦な土地を利用して、大きな面積で単一作物を周年栽培で生産することで、アメリカに次ぐ農作物輸出国の地位を確立しました。

現在は培ってきた技術を各施設園芸企業がさらに革新させ、自動化やIOT技術を取り入れ、省力化することで、まるで工場のような生産体制を実現しています。

人件費削減のための考え方として、人が動くのではなく、作物を人のところに自動で移動させるという考え方を聞きました。これは広い温室内をレールに沿って自動的に選果場まで運ばれてくるピーマンやほとんどの栽培管理を自動化させ、出荷のときの確認作業のみを人が行うコチョウラン栽培農場を見れば納得できます。

様々な機械やデータを利用して、自動化させる農業は日本でも技術が発展してきており、以前よりも身近になってきました。昔のように大がかりな装置を必要とせず、低コストで自動化を取り入れた農業が実現できる世の中になってきています。

弊社も高機能グリーンハウス用制御盤の「ウルトラエースシリーズ」を2016年に発売し、2018年にはハウス内環境制御と灌水制御の両方を一台で管理できる「ウルトラエースT」を、そして今年は、ハウス内環境を遠隔でモニタリングできる「ウルトラエースM」がラインナップに加わりました。

ウルトラエースT ACC用

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今後の農業を取り巻く環境では、「工業化」や「IT化」といったキーワードがますます重要なものとなっていくことでしょう。近い将来、日本の農業も、オランダの様に積極的にデータや機器を駆使し、最適な栽培環境を整えて高収益があげられる様になっていくことと思います。そのためにも私たち渡辺パイプ㈱が、新規就農者の方々でもすぐに高収益を上げられるような温室と栽培システムを提案して、オランダの農業に追い付くような後押しをしていきたいと思います。

今後も渡辺パイプ㈱では、オランダ農業研修だけでなく、様々な農場研修を通して、多くの農家の皆様からの意見を聞き、日本の農業の活性化に貢献していきます。

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アグリ@カルチャークラブ

「アグリカルチャークラブ」は、ハウス内制御盤「ウルトラエース」のユーザー様のために、農業のフィールドで「学ぶ」「つながる」「実践する」の良い循環をつくり、営農家のみなさまに、さらなる安心と、成長、そして高収益の機会を提供する会員制サービスです。

このサイトでは、「オンリーワン営農サービス」のご利用のほか、
営農家のみなさまに役立つコラム、セミナー開催のご案内、新製品情報をご覧いただけます。

ウルトラエースのご紹介

農業をもっとスマートに。

ハウス内の環境を可視化。さらに自動制御機能により農家の皆さまの仕事量を減らし、もっと効率よく営農にとりくめるよう生み出されたのが「ウルトラエース」です。

ウルトラエースの画像