極めるコラム

【八街農場】梅雨の葉カビ病対策(ミニトマト)

こんにちは、げんき農場です。

6月に入り、西日本から早くも梅雨入りが発表されました。

高温多湿のこの時期、多くの生産者の方が苦労されているのが、

葉カビ病の対策ではないでしょうか。

作の終盤で収量も多く、農薬散布をためらうケースもあると思います。

今回は葉カビ病対策について、耕種的防除を中心にお話させていただきます。

 

1.葉カビの生態

 

糸状菌であり、高温多湿が発生条件になります。

とりわけ、20~25℃、湿度95%以上の環境において急激に増殖します。

病斑上にできた分生胞子(種のようなもの)は、風によって運ばれて、別の葉に付着し、

菌糸を伸ばして,気孔から葉の組織内に侵入します。

発芽から発病までのサイクルは約2週間で、蔓延すると防除が困難になります。

 

2.過繁茂させない

 

促成栽培のハウスでは、作が終了に向かうこの時期、

収穫過多による作業遅れが発生しやすくなるかと思います。

しかし、風通しが悪く、空気の淀んだ場所で、葉カビは発生しやすくなります。

作業がなかなか進まない時期でも、収穫時に混み過ぎている場所だけでも、

少し葉かきをする工夫などの工夫を凝らす事が大切です。

 

3.肥料切れに注意

 

樹勢が衰え、葉が薄くなると、葉カビが侵入しやすくなります。

土耕栽培では、作の終盤という事もあり、肥料切れを起こした結果、

樹勢が衰え、葉カビが発生しやすくなります。

作の終盤の為、多量の追肥は必要ないと考えて良いですが、

全く行わないのは、葉カビ対策ではマイナスです。

 

4.過剰な遮光をしない

 

この時期、春の着果負担から樹勢が急激に衰え、日中に萎れが生じる事から、

朝から夕方にかけて遮光する方もおられると思います。

しかしながら、可能な限り光を当てる努力をして下さい。

光を受ける事で、葉が丈夫になるのは勿論ですが、

太陽光に含まれる紫外線による殺菌効果も期待できます。

げんき農場では、暑い日を中心に遮光を行っており、28℃を遮光の目安としています。

時間は概ね10時~15時30分を目安にしています。

 

5.温風煖房機の有効活用

 

じめじめとして湿度がこもっている時に、

温風暖房機を15分程度回すだけで湿度が抜けてくれます。

この時、熱せられた空気は上に抜けますので、雨の日は雨が入らない程度に

天窓を開けておくと、うまく湿度コントロールが出来ます。

 

6.経済的損出との比較を考える

 

葉かきの労働力、防除の為の薬剤代、追肥に掛かる肥料代、乾燥させる為の重油代などなど、

諸々の経費がかかる上に、この時期は収量が多く労働時間が長く掛かります。

そして5月後半から6月は、1年でもっともトマトの価格が下がる時期です。

作の前半ならともかく、促成栽培の場合、最終盤ですので、

あえて何もしないという選択肢は考えて良いと思います。

その際に、「次作に持ち越さない」という事を頭に入れて頂けると、

次作での序盤戦の防除が変わってくると思います。

例えば、「今は何もしない代わりに、栽培終了後は、

蒸し込み消毒を行って、次作に病害虫を持ち越さない」という考え方です。

 

 

おわりに

 

げんき農場八街ですが、今シーズンの栽培も残すところ40日となりました。

6/5に摘心を開始し、7/10に最終収穫後、撤去、次作の準備へと移ります。

次回は、栽培終了後の圃場内消毒についてお伝えできればと思います。

 

 

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