極めるコラム

【羽生農場】 育苗管理と長期取り栽培について (イチゴ)

こんにちは。げんき農場羽生です。

関東では例年よりも早く6月6日に梅雨入りとなりましたが、

ここ最近は真夏のような猛暑が続いて、ハウス内では大汗を掻いています。

さて、げんき農場羽生では6月に入ってもイチゴ栽培を続けています。

育苗管理も大変になってくるこの時期、どのようなことをやっているか紹介します!

 

■育苗管理

 

・ランナーの確保

 

次作の苗を育苗しているハウスには3月10日に定植した親株から多くのランナーが出ています。

昨年は親株の定植が4月中旬と遅くなったため、十分な苗が確保できませんでした。

今年は少ない親株からできるだけ多くのランナーを出し、

苗数を確保するために脇芽を増やして、ランナーの数を増やしています。

~8月の夏の猛暑の中、ハウス内作業は熱中症リスクと隣り合わせ。

作業の効率も落ち、ランナー押さえが遅れると、定植時の苗のサイズに関わり、

初期成育と収量に大きく影響します。

大苗を効率よく生産するために、今年は挿し苗育苗をメインに行いたいと考えています。

挿し苗育苗は90日間の育苗期間が良いとされていますので、6月中下旬にランナーを切り離し、

袋に入れて湿潤な状態で冷蔵庫に数日置き、発根させたものを挿して育苗します。

挿し苗育苗の難しい点は活着率です。

活着率を上げるためにハウス外部に90%遮光ネットを展張し、

定植後3~5日程度は葉水をかけ蒸散を抑えて、活着率を上げることがポイントです。

昨年は9割以上が活着しましたので、今年も挿し苗育苗にて苗生産を行っていきます。

 

 

■長期取りのイチゴ

 

・現在のイチゴ栽培の様子

 

本来であればイチゴ農家は5月初のゴールデンウイークや5月末で栽培を終了する方も多いと思いますが、

げんき農場羽生では6月下旬まで栽培を行っています。

6月下旬まで栽培を引っ張る際に注意していることは、下記の3つです。

 

 ①温暖な環境を好むハダニやアザミウマなどの害虫

 

 ②うどんこ病や灰色カビ病の病害

 

 ③高温対策

 

害虫については、やはり早期発見、迅速な防除が一番です。

げんき農場羽生でも、かおり野(三重県品種)の栽培をしていますが、

かおり野は花粉量が他品種よりも多いのでアザミウマが付きやすい品種と言われています。

防除が遅れるとすぐに食害が出てしまうのでかおり野のチェックは特に重点的にすることを心がけています。

 

 

 

病害対策で行っていることは、UV-Bライトを使ったうどんこ病対策です。

げんき農場羽生では葉かきが遅れた結果、十分にUV-Bが当たらずに一部うどんこ病が発生してしまいました。

また灰色カビ病は多湿条件で発生しやすく、葉の展開速度が上がる春以降に繁茂した葉の中や

ベンチに取り残された果実で良く見られます。

葉かき作業を行い、通気性を保つことが重要だと再認識しました。

 

高温対策は遮光カーテン使用しながら、ハウス内温度をできるだけ下げるようにしています。

ハウス内の日平均温度が25℃を超えてくると花芽分化が起きなくなると言われています。

晴天時は10時より遮光することで、日中の温度上昇を抑えます。

品種によっても花芽分化が止まってしまう温度に差があり、げんき農場で栽培している品種(紅ほっぺ、

かおり野、よつぼし)の中では紅ほっぺで花数が減ってきています。

現在収穫している果房は4月下旬~5月上旬に花芽分化したものであると考えられます。

 

上記の対策で長期取りを実践し、出荷先のスーパーでは市場出荷されたイチゴもなくなり、

売り場にはげんき農場のイチゴが独占状態!売れ行きも好調です。

 

 

育苗管理や次作の準備など大変な時期ではありますが、みなさんも長期取り栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

 

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